不動産担保ローンとは、文字通り、不動産を担保にしてお金を借りることができるローンのことです。一般的に、不動産は土地や建物、マンションなどを指します。
不動産担保ローンには、どのような特色があるのかを知り、とっさの資金需要に対応しましょう。
まずは、不動産担保ローンのおもなメリットとデメリットについてみていきましょう。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンには、主に3つのメリットがあります。
①借入金利が低金利
不動産担保ローンは、他の無担保個人向けカードローンや法人向けビジネスローンなどと比べると、不動産を担保としているので、低金利で借りることができます。したがって、借入金利が低い分、返済する総額も安くなります。
②借入限度額が大きい
カードローンやビジネスローンは、最大でも1,000万円程度が借入金額の限度になりますが、不動産担保ローンは、担保とする不動産の評価によっては、1億円以上の資金を借りることも可能です。
③返済期間が長い
返済期間を長期に設定することができます。金融機関によっては最長35年のローンのところもあります。返済期間が長ければ、月々の返済金額は低く抑えることが可能です。ただし、利息の負担額は大きくなるので注意が必要です。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンには、主に3つのデメリットがあります。
①融資までに時間がかかる
不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値を評価する時間が必要になります。不動産の評価は短時間ではできないので、一般的に、審査には数日かかり、融資が実行されるまでには1週間程度の期間が必要になる場合もあります。
②手数料がかかる
不動産担保ローンを利用する際には、「事務手数料」、「不動産鑑定費用」、「印紙代」、「抵当権、根抵当権の登記費用」といった費用がかかります。不動産担保ローンの場合、借入額が少額だと、借入金利が低くても他の無担保ローンと支払総額がほとんど変わらない場合もあるので、事前にシュミレーションをしておく必要があります。
③返済不能になると不動産が処分される
不動産担保ローンを利用する際に、金融機関は担保とする不動産に「抵当権」や「根抵当権」の登記をします。抵当権、根抵当権とは、お金を返せなくなったときに、担保にした不動産を売却し、貸したお金と利息を回収する権利のことです。返済ができなくなると、担保の不動産が売却されます。ローンを完済した段階で、抵当権は解除されます。
不動産担保ローン利用のポイント
不動産担保ローンには、大きな資金を、低金利、しかも長期間にわたって借り入れることができる一方で、融資までには時間と費用がかかり、万が一、返済が不能となったときには不動産を失うという可能性があります。こうした特徴を踏まえると、不動産担保ローンの利用にあたっては、次のような点を考慮して利用するべきでしょう。
- 融資の実行までには、余裕をもって申し込む。
- 必要となる手数料も考慮して、有利なローンを選ぶ。
- 返済期間が長期になるほど合計の利息は増えることに留意する。
- 「繰り上げ返済」を活用した場合の条件や手数料も確認しておく。
ノンバンクの不動産担保ローンの特徴
ノンバンクの不動産担保ローンは、銀行に比べると比較的条件は緩く設定されていて、審査に通りやすくなっているのはメリットです。その分、借入金利は銀行に比べて高めに設定されています。また、申し込みから融資までの期間が、比較的短いのはノンバンクのメリットです。
不動産担保ローンの申込方法
不動産担保ローンを利用する場合、一般的には以下のような流れになります。
- 仮審査
- 面談・本申込
- 審査・担保不動産の現地調査
- 融資契約締結
- 融資実行
金融機関のホームページから仮審査を申し込み、審査結果をもとに担当者と面談を行います。面談の結果、不動産担保ローンを利用する場合は本申込に進みます。本申込を行うと、担保不動産の現地調査が行われ、本審査の結果、融資が実行される場合は契約を行い、借入実行日に口座へ資金が振り込まれます。借り入れ時の手数料は融資資金から差し引かれ、別に用意する必要はありません。借入実行日に、不動産の抵当権設定登記が行われます。登記の手続きを行う司法書士は基本的に金融機関が依頼します。これらの手続きは、通常、金融機関の店舗で行いますが、自宅や事務所まで来てくれる可能性もあるので、交渉しも良いでしょう。
不動産担保ローンの必要書類
一般的に不動産担保ローンを利用する場合は、以下の必要書類が必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑証明書・実印
- 納税証明書、固定資産税納付書
- 収入証明書
- 不動産登記簿謄本
- ローン残高証明書
- 商業登記謄本、決算書類、事業計画書など(法人の場合)
不動産担保ローンの必要書類は金融機関によって異なるので、事前に確認しておきましょう。